短編


君が居ない世界に意味はない

それは全てのものが告げる。

「…違う」

この場所に この国に この世界に 彼女はいない、と 風も花も空気にも 彼女の気配は感じられない

「生まれ違えたか」

どうやら、彼女が居る世界に生まれ違えたらしい。  ため息を吐くが、どうにもならない。 僕はこの世界に生まれてしまったのだから。 でも、彼女がいない世界に用は一切ない。

「…さようなら」

何度も追いかけよう 。
巡り生きる意味は 愛する君の存在だけなのだから。

fin  


written by 恭玲 site:願い桜